競馬用語
 

よく使われる競馬用語

 ★星印は直接勝ち負けに関係する事柄

「あ」行

☆上がり(あがり)

レースや調教で、最初を「テン」、中盤を「なか」、終盤を「しまい」または「上がり」という。「上がり3ハロン」といえばゴールから逆算して3ハロン(600メートル)のこと。

☆上(昇)がり馬(あがりうま)

それまで下級条件に低迷していたのに、急激に調子をあげたり、実力を身につけて、短期間のうちに数段上の条件に勝ちあがってきた馬のこと。上昇馬ともいう。

☆脚色(あしいろ)

馬の走りっぷりのこと。余力十分に走っているときは「脚色が良い」、余力がなくなってバテ気味のときは「脚色一杯」などといわれる。

★併せ馬(あわせうま)

調教のときに2頭以上の馬で並んで走ること。単走と違い、併走させることによって競走馬の闘争本能を引き出し、それをかき立てる効果がある。併せ馬の場合は、能力的に上位の馬、あるいは好調の馬が外を回ることが多い。またタイムは、1頭で調教するより、競り合うので速いタイムが出やすい

☆一完歩(いちかんぽ)

馬の歩幅のことで、レース時のそれは約7メートルから8メートルといわれている。1ハロン(200メートル)の歩数を数えると、個体差、またスピードによる差はあるがサラブレッド競走馬の場合は28から30完歩を要するといわれている。

☆一杯(いっぱい)

余力を出しきった結果、バテて失速すること。「4コーナーで一杯になった」などという。

★入れ込む(いれこむ)

レース前に極度に興奮し、落ち着かない様子。ひどい発汗をしたり口角に泡が溜まったりする。その時点でかなり体力を消耗するのでレースでは能力を出しきれない場合が多い。

☆ウッドチップコース

走路の基盤の上に、粉砕された木片を敷きつめた馬場で、日本でも調教用馬場として多く用いられている。この馬場はダートコースに比べてクッションが数段よく、脚への負担が少ない。また、馬場を管理、維持する上でも、非凍結性、浸水性、非流亡性が高く、欧米ではかなり前から取り入れられていた。中央競馬では1982年から研究開発され、トレーニング・センターで使用されている。

★馬っ気(うまっけ)

牡馬の発情のこと。馬っ気を出すと競走に集中力を欠き、能力を出し切れなくなることが多いと言われている。

★馬なり(うまなり)

レースや調教で、追わない(鞭を使ったり手綱をしごいたりしない)で馬の走る気にまかせること。「持ったまま」ともいい、基本的には余力を十分残している状態をさす。

★追い切り

レース直前週の速いタイムの調教のことをいう。レースに向けて馬の状態を最高に持っていくため、レースの3、4日前の調教で、十分に調教で追い切る事

☆オッズ

勝馬投票券が的中した場合の概算払戻率のこと。中央競馬ではトータリゼータシステムのコンピューターに直結して、100円に対する倍率で掲示されている。5.0倍の馬券を100円購入し的中すると払戻金は500円となる

★折り合い

騎手と馬の呼吸の調和状態のこと。人馬の呼吸が合致しているときには、「うまく折り合う」などという。またこれに対して呼吸が合わず、ちぐはぐな状態は「かかる」という。

「か」行

☆飼葉(かいば)

人が馬に給与する餌の総称であり、濃厚飼料、粗飼料、サプリメント等の補助飼料がある。濃厚飼料は穀類(日本では主にエン麦)、穀類副作物(ぬか類)、マメ類、油粕(あぶらかす)類など。粗飼料は、各種牧草の乾草もしくは青草、補助飼料としてはカルシウムやビタミン剤などがあげられる。その他に、これらをバランスよく混合・加工した配合飼料が利用されることも多い。これらの素材を組み合わせ、飼葉として馬に給与される。

「さ」行

☆心房細動(しんぼうさいどう)

心臓に異常な電気信号が起こり、心房が規則正しいリズムを失う不整脈の一種。競走馬がレース中に発症すると、血液を全身に上手く送り出せなくなるため、急激に失速する。ヒトの心房細動と異なり、全く異常のない競走馬がレース中に突如として発症し、特に治療を行なわなくても治癒するものがほとんどである。

★せん馬

去勢された馬のことである。競走能力はあるが気が悪く、成績の上がらない牡馬は、去勢すると従順になって成績が上がることがある。

「た」行

☆叩く(たたく)

休養明けにレースに出走することを「叩く」という。「休み明けを一度叩く」といったように使われる)

★チークピーシーズ

フルネームでシープスキン・チークピーシーズという。頭絡の頬革にボア状のものを装着したもので、左右を見えにくくして前方に意識を集中させる効果を期待して用いられる。

☆ツル頸(つるくび)

パドックなどで歩いているとき、長い頸をツルのように曲げている状態をいう。レースが間近に迫っていることを察知し、神経をたかぶらせている馬によく見かける。一見、気合に満ち溢れ、いかにも走りそうな印象を与えるが、競走能力とは関係はなく、馬の気性の現われとみるべきである。

☆鉄砲(てっぽう)

比較的長期の休養明けでレースに使うこと。このような場合にレースに使うことを「鉄砲使い」、また鉄砲使いでレースで好走するような馬を、「鉄砲の利く馬」という。

★手前(てまえ)

馬の走り方のことで、右前脚よりも左前脚を前に出す「左手前」とその逆の「右手前」がある。右回りのコースは右手前、左回りのコースは左手前で走らないとコーナーを回る際、遠心力で外側にふくれてしまう。最後の直線では、走りやすい手前に替えて走りやすくする。

☆テン

最初、真っ先の意。テンの半マイル、テンに追う、など。また、テン乗りというのは、その馬に騎手が初めて騎乗することをいう。

☆とも

馬体を大きく2つに分けて前躯(ぜんく)、後躯(こうく)と呼ぶが、その後躯のうちの腰部、臀部、後肢のこと。

「な」行

★二走ボケ(にそうぼけ)

休養明けを好走して人気になった馬が、二走めで凡走すること

「は」行

☆跛行(はこう)

歩様に異常をきたしている状態をいう。負重するときに疼痛を示すもの(支柱跛行)、肢の挙楊時および前進時に疼痛を示すもの(懸垂跛行)、両方が混在する跛行(混合跛行)がある。跛行の原因には、骨、腱、関節、筋肉、神経等の異常が考えられる。一方、原因がはっきりしない場合、原因があると推測される部位により前肢跛行、後肢跛行(腰部に原因)と呼ばれることもある。

☆馬銜(はみ)

馬銜(はみ)とは、馬の口に噛ませる棒状の金具である。馬の口には前に上下12本の切歯があり、切歯のうしろはかなり広い歯のない部分(歯槽間縁)があり、その奥に臼歯(奥歯)が並んでいて、ちょうどこの歯のない部分に馬銜をかける。騎手の手綱さばきはこぶしから手綱を通じて馬銜に伝えられ、馬に合図を送ることができる。

☆ハロン

「ハロン」(furlong)はイギリスで使用されている距離を示す用語。日本では1ハロン=200メートルに換算する。 明治初期にはイギリスの尺間法が使われており、1ハロンは約200メートル、1マイルは8ハロン

☆バンケット

登り下りの坂のことで、福島競馬場や小倉競馬場の障害コースと、京都競馬場の大障害コースにある。なお、中山競馬場の障害コースの坂路(谷)もバンケットと呼ばれることがある。

★パドック★

レースに出走する馬が、装鞍所からここに入り、この中をスタッフにひかれて周回する場所で、下見所ともいう。馬の状態を観察できる。馬場にむかう前に騎手が騎乗する。

☆ヒモ

軸に対する相手のこと。以前は、頭(1着馬)が堅いと思われるレースで、その本命馬の2着に入ると思われる馬のことをいった。

☆平場(ひらば)

一般条件戦など、特別競走以外のレースをいう。一般レースともいう。

★ブリンカー

ブリンカーは「遮眼革」ともいい、視界の一部を直接遮ることにより馬の意識を競走や調教に集中させ、周囲からの影響に惑わされずに走らせるために用いられる。メンコの目穴部分に合成ゴムやプラスチック製のカップを取り付けたものが一般的で、カップのつくりやサイズによって遮る視界の広さを変えることができる。片側だけにカップがついているものもある。JRAの競走で使用する場合は、出馬投票時の届出が必要である。

★歩様(ほよう)

馬の歩き方のこと。後肢の踏み込みの強さや前肢の出方のスムーズさなどの、全体的な感じをいう。馬により個体差はあるが、どこかに故障や疾患を持つ馬は、歩様に乱れが出る場合が多い。

★ホライゾネット

メンコの目穴部分をネットで覆ったもの。前を走る馬が跳ね上げる砂が眼にかかるのを嫌がる馬に用いられる。また、視野を制限するので、競走に意識を集中させる効果を期待して用いられることもある。

「ま」行

★メンコ

馬の覆面のこと。一般に耳おおいがついたものを使い、音に驚いたり、砂をかぶるのを嫌がる馬に使う

★モンキー乗り

鐙(あぶみ)を短くして、膝を前に出し、尻を鞍から離し、前傾姿勢で追う騎乗フォーム。木の枝にモンキー(猿)がまたがったように見えるところからこう呼ばれる。1890年代にアメリカのトッド・スローン騎手が考案したもので、日本で一般化したのは戦後になってから。それまでは「天神乗り」(長い鐙で尻を鞍につけて上体を起こす乗り方)が主流だった。

「ら」行

☆埒(らち)

各競馬場、各コースの柵のこと。内側の柵を内ラチ、外側の柵を外ラチという。

 
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